3月12日、丹沢の「境界尾根」を登りました。春になって気温が上がるとヤマビルが出てくる季節になってしまうため、その前に登っておきたいと思っていた場所のひとつです。
境界尾根とは
境界尾根は、清川村と厚木市の境となっていることからそう呼ばれていると思われる尾根で、東丹沢登山詳細図では「熟達者向け」となっているルートです。道標はもちろん無く、急登と痩せ尾根があるので安易な気持ちでは行けないところです。
また、ここを下りで使うと道を間違えそうな分岐があるので注意が必要です。初めて行くのであればまずは登りからと言っておきます。
取りつきまで
取りつきまでのアクセスですが、本厚木駅から神奈中バスの「宮ケ瀬」行きに乗り「煤ケ谷(すすがや)」バス停で下車、そこから谷太郎川沿いに歩いていきます。
煤ケ谷バス停からすぐのところにこの道標があります。「大山・不動尻、谷太郎林道」方面を歩いていきます。
途中で見かけた懐かしい看板。昔は至る所で見かけましたけどねぇ、何年振りかに実物を見ましたよ。メルカリとか見ると1万円ぐらいで売ってる人がいるですよね。
途中にあった清川リバーランドにて。奥にいるのは・・・・出張ごくろうさまです!
谷太郎林道の終点です。車が数台停められます。バス停よりここまで40分ぐらい歩いたでしょうか。ここで上着を脱いだり、ひと休みしてから取りつきにかかります。
写真にある橋を渡ります。渡るとすぐに左に折れる道がありますが、これは不動尻方面へ行く道です。いまの時期、ミツマタが見ごろのようで、同じバス停で下りた人もいたし、境界尾根を登り終わってからも不動尻へ下っていく人たちの姿を多く見かけました。
僕はミツマタはあまり好きじゃないんですよね、花がなんかブツブツしているじゃないですか。ああいうのは苦手なのです。
境界尾根を登る
橋を渡って左に折れず、まっすぐ進みます。すると根っこが張った登りが出てくるので、ここから境界尾根に取りつきます。記事冒頭の写真が正面から見たところになります。
登り始めたらしばらくはずっと登りです。踏み跡ははっきりしているし、尾根の上を歩いていけばまず迷うようなところはありません。
なんか、写真を多く載せて紹介しようと思いましたが、みんなこんな感じの写真なんですよ。上に載せた地図でちょうど十字のマークがありますが、そこまでは延々と登りが続くだけです。
このように奥が果てしなく続いていて、いつまで登らせるのかと思ったぐらいです。こういう時はひたすら脚を動かして前に進むしかありませんね。急登なので休み休みになりますが。
空が見えるようになったころに柵が出てきます。これに沿って行けばいいのですが、踏み跡に気を取られて柵沿いから何度か離れていきました。油断なりません。
標柱が転がっているところがピークのひとつ、地図の十字の場所になります。標高が760メートル弱で、取りつきから1時間20分弱でしょうか。想定よりも時間がかかっています。
なお、この標柱「第二十六号」と書かれていて、別の面には「神奈川県」とあります。
延々と続いた登りが終わり、少しだけ平和で歩きやすい区間が出てきます。
しかしそんな平和な区間もすぐに終わり、また登っていきます。この後からがこの尾根の核心部なのではと、個人的には思いました。
痩せ尾根が続き緊張感MAX
三十号と書かれた標石のところから痩せ尾根に入ります。ここから最後登りきるところまで、かなりの緊張感を強いられました。
まだこのあたりは良かったです。
しばらく行くと両側がかなり切れ落ちていて、足を滑らせたりこけたりしたら滑落間違いなしな場所が出てきました。根っこの下空洞だし、足元も不安定になってきます。
もうちょい引きで撮れば良かったのですが、この岩を登っていくのも両側が切り落ちているので怖かったです。雨とかで濡れてなくて良かったと思いました。
これは木をくぐっていくように進むような感じでした。写真ど真ん中より右側の白っぽい地面が歩けるところで、左側の黒っぽい部分は斜面です。写真だと分かりづらいですけどね。
目の前に見える頂は、恐らく七沢山です。丹沢三峰山はその奥に隠れているものと思われます。あの頂がこの尾根のゴール付近になりますが、あとちょっとなのに遠く感じました。
いちど下りますが、ここにはお助けロープがあります。全体重を任せるのは危険なので、ロープを使いながらもなるべく頼らないようにして下りました。大丈夫そうだったけど。
そして最後にとんでもないところが待っていました。写真だと分かりづらいのですが、ここは両手も使いながら登っていきました。しかもザレ気味なので足元もかなり気を遣いながらで、早く終わって欲しいという思いのみで登りました。
最後の急登を登り切って、この写真の奥の方から出てきました。写真の左方向に行けばすぐに七沢山ですが、疲れ切ってしまってその時はそんなことを考えることなく、大山(写真右側方面)へ向けて歩きました。
最後に
この境界尾根で気力まで使い切ってしまったのか、その後は唐沢峠までの道中はもちろん、そこから大山まで、ずっと脚が進まずノロノロペースでどうにか登頂したといった感じでした。
これまでに書いてきたように、境界尾根は始めはずっと登り、それが落ち着くと今度は痩せ尾根になってかなりの神経を使います。今後行かれるかたは何卒お気をつけください。
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